数列のk個の項を与えられたときに, 次の項を確実に求めることは不可能である. その数列に合うような多項式が無限個存在するからである.
例として, 立方数の数列を考えよう. これは生成関数 u&sub{n}; = n&sup{3}; で定義され, 1, 8, 27, 64, 125, 216, ...となる.
この数列の最初の2項のみが与えられているとしよう. "Simple is best"の法則にのっとり, 線形の関係があると仮定し, 3つ目の項が15であると予想する (差分が7). もし最初の3項のみが与えられていたとしても, 同じ原則により, 二次の関係があると仮定して次の項を予測する.
数列の最初のk項を生成できる最適な多項式のn項を OP(k, n) で表すことにする. 明らかに, n ≤ k について OP(k, n) は正しい. 最初の異なる項 (First Incorrect Term, FIT) は OP(k, k+1) であろう. これを bad OP (BOP) と呼ぶことにする.
原則より, 最初の項しか与えられていない場合には, 定数項とするのが理に適っているだろう; 即ち, n ≥ 2, OP(1, n) = u&sub{1};.
従って, 立方数の数列について以下のOPを得る.
OP(1, n) = 1 | 1, 1, 1, 1, ... |
OP(2, n) = 7n−6 | 1, 8, 15, ... |
OP(3, n) = 6n&sup{2};−11n+6 | 1, 8, 27, 58, ... |
OP(4, n) = n&sup{3}; | 1, 8, 27, 64, 125, ... |
明らかに, k ≥ 4 のときにはBOPは存在しない.
BOPのFIT (上の例では赤で示されている) の和は, 1 + 15 + 58 = 74 である.
以下の10次多項式からなる生成関数を考える:
BOPのFITの総和を求めよ.